牛肉のホワイトハンバーグ(2~3人分)

雪を彷彿とさせる白いソースのハンバーグは、冬の食卓にもぴったり!お肉をこねたり、形をととのえたりする作業は、料理に慣れていない小さなお子さまにもチャレンジできる難易度です。ぜひ親子で一緒に作ってみてくださいね♪
レシピ監修:広瀬彩夏(栄養管理士)
【材料】
・牛肉ミンチ:300g
・玉ねぎ:1/2個
・まいたけ:1/2~1株
・たまご:1/2個
・パン粉:大さじ1
・しお/こしょう:適量
・シチュールウ:1かけ
・牛乳:50ml
・水:100ml
【レシピ】
① 玉ねぎの皮をむいて、みじん切りにして、フライパンで炒める。
② 舞茸の石づきを切り落として、手で食べやすい大きさにさく。
③ ボウルに、①と牛肉ミンチ、卵、パン粉、塩コショウを入れて粘り気が出るまで手で混ぜる。
④ 手で丸めて楕円形に成型し、手の平に打ちつけて中の空気を抜く。
⑤ フライパンに並べて中火で焼き、焼き目がついたら裏返す。
⑥ 弱火~中火に火力を落として、舞茸も隙間に加えて、フライパンのふたをして一緒に火を通す。
⑦ 焼きあがったら、ハンバーグはお皿に移す。
⑧ 別の小鍋に牛乳と水を入れて温め、火を止めてからシチュールウを加えて溶かす。
⑨ ⑥の舞茸を加えて、再び火をつけてとろみが出るまで火にかける。
⑩ ⑦に⑨をかけて出来上がり。
【補足】
・牛乳が飲めないお子さまには、同量の豆乳を代用することができます。
・シチュールウを使用することで、面倒な作業となるホワイトソース作りの工程を省くことができます。
【コラム】ハンバーグはもともと "生肉" で食べる料理だった?

ハンバーグのモデルとなった「タルタルステーキ」(M.Studio – stock.adobe.com/jp)
一般的なレストランはもちろん、スーパーではレトルトや冷凍食品として手軽に購入できるハンバーグ。「ハンバーグ?なにそれ、食べたことない。」なんて人は、なかなか見つからないでしょう。そのくらい日本人には馴染み深い料理です。
私たちの知るハンバーグ、つまりひき肉を玉ねぎやスパイスと混ぜて焼いた料理は、18世紀頃のドイツ/ハンブルク(Hamburg)で生まれました。現地では「フリカデレ(frikadelle)」と呼ばれ、ドイツの一般的な家庭料理として現在も親しまれています。それが徐々にヨーロッパに広まり、ハンブルクからやってきたことから、「ハンブルク風の」を意味する「ハンバーグ(Hamburg)」、またはハンブルク風肉料理を意味する「ハンバーグステーキ(Hamburg Steak)」と呼ばれるようになりました。
では、そもそもそのハンバーグ(フリカデレ)はどうやってドイツで誕生したのでしょうか? さらに時を遡ること500年以上、13世紀当時のアジアで勢力を急速に拡大するモンゴル帝国の「タタール人(Tatarlar)」が食していた肉料理が、それにあたると考えられています。
当時のタタール人は、長距離遠征に使用する馬を、同時に食用としても使用していました。しかし、長時間歩き続けた馬の肉は、発達した筋肉によって非常に硬く、とても食べられるものではありません。そこで、肉を細かく切り刻み、さらにスパイスや玉ねぎによって臭みをなくし、手軽に美味しく食べられる料理が考案されました。それこそが、ハンバーグの前身となる「タタール人の肉料理=タルタルステーキ(Tartar Steak)」であり、モンゴル帝国の攻勢に伴ってヨーロッパまで伝わったそうです。ハンバーグのモデルは、もともと生肉のまま食べる料理だったんですね。
安く硬い肉しか買えない多くの労働階級者にとって、細かく刻んで食べやすくなるタルタルステーキの調理法は非常に魅力的でした。とはいえ、タタール人のようにその場で新鮮な馬肉を使えるわけではありませんので、衛生の観点から火を通す調理法が取り入れられ、やがて国民的料理「フリカデレ」として定着していきます。
「タルタルステーキ(タタール人)」→「フリカデレ(ドイツ人)」→「ハンバーグ (ヨーロッパ・アメリカ)」と、姿や名前を変えて、ようやく日本にやってきたのは19世紀頃。1882年(明治15年)に開校した日本初の料理学校「赤堀割烹教場」の開校式の席にて、ハンブルク風ステーキとして披露されました。以降、洋食レストラン等において徐々に広まり、今日のハンバーグに至ります。
※ハンバーグの詳細な歴史には諸説ございます