食育クイズ

【 12月食育クイズ&レシピ 】テーマ:肉(ハンバーグ)

牛肉のホワイトハンバーグ(2~3人分)

雪を彷彿とさせる白いソースのハンバーグは、冬の食卓にもぴったり!お肉をこねたり、形をととのえたりする作業は、料理に慣れていない小さなお子さまにもチャレンジできる難易度です。ぜひ親子で一緒に作ってみてくださいね♪

レシピ監修:広瀬彩夏(栄養管理士)

【材料】

・牛肉ミンチ:300g

・玉ねぎ:1/2個

・まいたけ:1/2~1株

・たまご:1/2個

・パン粉:大さじ1

・しお/こしょう:適量

・シチュールウ:1かけ

・牛乳:50ml

・水:100ml

【レシピ】

① 玉ねぎの皮をむいて、みじん切りにして、フライパンで炒める。

② 舞茸の石づきを切り落として、手で食べやすい大きさにさく。

③ ボウルに、①と牛肉ミンチ、卵、パン粉、塩コショウを入れて粘り気が出るまで手で混ぜる。

④ 手で丸めて楕円形に成型し、手の平に打ちつけて中の空気を抜く。

⑤ フライパンに並べて中火で焼き、焼き目がついたら裏返す。

⑥ 弱火~中火に火力を落として、舞茸も隙間に加えて、フライパンのふたをして一緒に火を通す。

⑦ 焼きあがったら、ハンバーグはお皿に移す。

⑧ 別の小鍋に牛乳と水を入れて温め、火を止めてからシチュールウを加えて溶かす。

⑨ ⑥の舞茸を加えて、再び火をつけてとろみが出るまで火にかける。

⑩ ⑦に⑨をかけて出来上がり。

【補足】

・牛乳が飲めないお子さまには、同量の豆乳を代用することができます。

・シチュールウを使用することで、面倒な作業となるホワイトソース作りの工程を省くことができます。

【コラム】ハンバーグはもともと “生肉” で食べる料理だった?

ハンバーグのモデルとなった「タルタルステーキ」(M.Studio – stock.adobe.com/jp

一般的なレストランはもちろん、スーパーではレトルトや冷凍食品として手軽に購入できるハンバーグ。「ハンバーグ?なにそれ、食べたことない。」なんて人は、なかなか見つからないでしょう。そのくらい日本人には馴染み深い料理です。

私たちの知るハンバーグ、つまりひき肉を玉ねぎやスパイスと混ぜて焼いた料理は、18世紀頃のドイツ/ハンブルク(Hamburg)で生まれました。現地では「フリカデレ(frikadelle)と呼ばれ、ドイツの一般的な家庭料理として現在も親しまれています。それが徐々にヨーロッパに広まり、ハンブルクからやってきたことから、「ハンブルク風の」を意味する「ハンバーグ(Hamburg)」、またはハンブルク風肉料理を意味する「ハンバーグステーキ(Hamburg Steak)」と呼ばれるようになりました。

では、そもそもそのハンバーグ(フリカデレ)はどうやってドイツで誕生したのでしょうか? さらに時を遡ること500年以上、13世紀当時のアジアで勢力を急速に拡大するモンゴル帝国の「タタール人(Tatarlar)」が食していた肉料理が、それにあたると考えられています。

当時のタタール人は、長距離遠征に使用する馬を、同時に食用としても使用していました。しかし、長時間歩き続けた馬の肉は、発達した筋肉によって非常に硬く、とても食べられるものではありません。そこで、肉を細かく切り刻み、さらにスパイスや玉ねぎによって臭みをなくし、手軽に美味しく食べられる料理が考案されました。それこそが、ハンバーグの前身となる「タタール人の肉料理=タルタルステーキ(Tartar Steak)」であり、モンゴル帝国の攻勢に伴ってヨーロッパまで伝わったそうです。ハンバーグのモデルは、もともと生肉のまま食べる料理だったんですね。

安く硬い肉しか買えない多くの労働階級者にとって、細かく刻んで食べやすくなるタルタルステーキの調理法は非常に魅力的でした。とはいえ、タタール人のようにその場で新鮮な馬肉を使えるわけではありませんので、衛生の観点から火を通す調理法が取り入れられ、やがて国民的料理「フリカデレ」として定着していきます。

「タルタルステーキ(タタール人)」→「フリカデレ(ドイツ人)」→「ハンバーグ (ヨーロッパ・アメリカ)」と、姿や名前を変えて、ようやく日本にやってきたのは19世紀頃。1882年(明治15年)に開校した日本初の料理学校「赤堀割烹教場」の開校式の席にて、ハンブルク風ステーキとして披露されました。以降、洋食レストラン等において徐々に広まり、今日のハンバーグに至ります。

※ハンバーグの詳細な歴史には諸説ございます

【食育クイズ9月号】梨(なし)

【食育クイズ】とは?

木製玩具のお店「ウッディプッディ」が月に1度開催する、食べ物に関するミニイベントです。その月の旬の食材をピックアップし、コラム、レシピ、クイズをお届けします。クイズの正解者のうち抽選で3名様に、テーマの食材がモチーフとなったおままごとのおもちゃをプレゼント!お気軽にご参加ください。

今月のプレゼント:なし(梨)



クイズに挑戦する!

梨3兄弟

梨は大きく分けて「西洋なし」「中国なし」「日本(和)なし」の3つに分類されます。まずは簡単にそれぞれの歴史や特徴に触れてみましょう。

1.日本(和)なし

日本に暮らす人にとっては最も馴染み深いなしの種類。元はだいぶ古く、1~2世紀の弥生時代から既に存在したことから、稲作と同じ時期に大陸から伝わってきたと考えられています。

日本国内における日本なしの生産量が高い地域は、ふなっしーでお馴染みの千葉県(14%)が第一位。ついで茨城県(11%)、栃木県(10%)の関東圏3県がトップを占めています。「そこは山梨県だろ!」と言いたいところですが、残念ながらトップ3どころか情報元の資料ではトップ30位にすらランクインしておらず…。ちなみに二十一世紀なしでお馴染みの鳥取県は5位でした。

ランキング参照:『果物情報サイト 果物ナビ』

https://www.kudamononavi.com/graph/category/ca=28

日本なしは薄茶色っぽい「赤なし」と、黄緑色の「青なし」の2種類に分類されます。代表的な品種の「幸水」は赤なし、「二十一世紀なし」は青なしの仲間。しっかりとした甘みとみずみずしい果肉が特徴の赤なしに対して、青なしは甘さ控えめでやや酸味のあるすっきりとした味わい。みなさんはどちらがお好きですか?

2.西洋なし

ぽてっとした愛らしいフォルムが特徴的な西洋なし。なしのイラストには日本なしより西洋なしの方が圧倒的に多いせいか、食べたことがあまりない人でも親近感を抱くのではないでしょうか。

個人的には、むかし遊んでいた任天堂DSソフト『おいでよ!どうぶつの森』で、自分の村の特産品が西洋なしだったこともあり、個人的に思い出深いフルーツです(友達がおらず特産品が増えませんでした…)。

無駄話はさておき。16〜18世紀頃にドイツやイギリスを中心に栽培され、日本にやってきたのは明治初期頃。1875年に山形県の東置賜郡屋代村(ひがしおきたまぐんやしろむら、現在の高畠町)にて栽培が始まりました。そして約150年が経過した現代において、山形県の西洋なし生産量は国内流通分の7割を占めるダントツ1位の地域として名を馳せています。

栽培当時、出来上がったばかりの西洋なしを食べた人たちは「固くてとても食べられない!」と実を捨ててしまったそうですが、後に熟して甘い香りを放つその実をあらためて食べてみると、その美味しさに驚き、以降栽培が定着したそうです。日本に西洋なしを持ち込んだ人は、どうして熟成期間について教えてくれなかったんでしょうね。

そんな西洋なしの代表格「ラ・フランス」は、その名の通りフランスで発見された品種です。現在でもフランス産が圧倒的ブランドを誇る…と思いきや、1900年代初頭に病気が流行り、早々に絶滅。なんと現在ラ・フランスは日本でのみ栽培されているのだそうです。もはや「ラ・ジャポネ」と呼んでも差し支えないかもしれません。

3.中国なし

最後はあまり見かけることのない「中国なし」。形は西洋なしに近いですが、色と味は日本なしに似ているそうです。名前の如く中国に端を発する品種で、西洋なしと同様18世紀頃に日本に伝来したが、こちらはほとんど普及せず、北海道をはじめとする一部の地域で小規模栽培が行われるに留まっています。

広東料理、台湾料理においては、シロップで似た温かいデザートとして、または喉の症状に良いとされることから漢方に使用されるなど、中国・台湾では古くから生活に根付くフルーツの一つです。

梨特有の「しゃりしゃり食感」の正体

「細胞壁」という言葉を覚えていらっしゃるでしょうか。「昔理科の授業でなんとなく聞いたような…」と、私のように記憶の彼方へ追いやってしまった方のために改めてざっくりご説明すると、植物の細胞一つ一つを守る壁のようなもので、生物の細胞には存在しないものです。

その中でも一際丈夫な細胞壁を持つ細胞、それが「石細胞(せきさいぼう)」です。一般的な例として、梅干しやももの種が挙げられますが、なし特有のしゃりしゃり食感もまた、この石細胞によるもの。本来は種を守るための硬い殻を構成するための細胞ですが、なしの場合は実が成長するにつれて石細胞も全体に広がるそうです。なしとよく似たりんごにすら含まれないことから、なしのような現象は食べものの中でも異例なのかもしれません。

石細胞は「リグニン(木質)」と「ペントサン(食物繊維)」によって構成され、人間の体内では消化できないことから、腸を刺激し活性化する(蠕動運動:ぜんどううんどう)効果が期待できるそうです。

なしの語源

【中白】

中身が白い実だから「なかしろ」→「なかしろ」

【風なし】

強風が吹くとなしが落ちて収穫できないことから

「風なし」→「風なし」

【中酸】

内側に行くほど酸味が強まるから

「中酸(なす)」→「なし」

(どれも、なし以外の果物にも当てはまりそうだけど…)

【親子でカンタンレシピ】梨入りスイートポテト

秋の味覚である「さつまいも」と「なし」を一緒に味わえるスイーツです。さつまいもをつぶす(裏ごし)作業は、お子さまにも楽しんでいただけること間違いナシ!包丁を使った作業にトライする場合は、上に飾るなしのカットをお任せしてみてください。

【材料(3~4人分)】

・梨・・・1/2個

・バター(食塩不使用)・・・5g

・砂糖・・・小さじ1

・さつまいも・・・200g(可食部)

・バター(食塩不使用)・・・15g

・砂糖・・・小さじ1

・牛乳・・・大さじ2~4

【作り方】

①なしの皮をむき、芯を取り除き、1cm~1.5cm角に切る。また、それとは別に上に飾る用の梨は好きな形に切っておく。

②フライパンにバター5gを熱し、梨が透き通って軽く焼き目がつくまで焼く。

③②に砂糖小さじ1加えて、混ぜ合わせ、火を止める。

④さつまいもは洗って、皮ごと幅2cmくらいの輪切りにする。

⑤鍋に、さつまいもが浸るくらいの水を入れて5~10分ほど茹でる。

⑥さつまいもの皮をむいて、熱いうちにつぶして裏ごしする。

⑦⑥に砂糖小さじ1を加え、程よい固さになるように牛乳の量を調整しながら加える。

⑧⑦に③を加え混ぜ合わせ、耐熱容器に入れて、飾り用の梨をのせたら、オーブントースターで15分ほど焼いてできあがり。

【料理のポイント】

◯梨はしっかりと火を通すと口当たり良く、バターが馴染み一層美味しく仕上がります。

◯さつまいもは、茹でずに耐熱容器にかぶるくらいの水を入れて電子レンジで加熱しても良いです。その場合は、600Wで様子を見ながら2分ずつ加熱していってください。

◯お子さまには、さつまいもをつぶす作業がカンタンで楽しく行なっていただけると思います。

◯お子さまには、上に乗せる梨のカットにトライしてみていただいても良いと思います。梨はやわらかくて包丁がまっすぐに入りやすいので、比較的カンタンに切れますよ。

◯大人が食べても美味しい味付けにしています。梨やさつまいもは十分に甘い食材なので、お子様の年齢に合わせて、バターや砂糖の量を調整してください。

今月のプレゼント:なし(梨)



クイズに挑戦する!

食材情報監修:皐月(栄養士・野菜ソムリエ)

レシピ監修:広瀬彩夏(管理栄養士)

編集:平子(ウッディプッディ)

【食育クイズ8月号】トウモロコシ

食育クイズとは?

毎月19日頃に開催する、旬の食材をテーマにしたクイズです。正解者の中から抽選で、テーマになった食材のおもちゃをプレゼント!どなたでもご参加OKですので、ぜひチャレンジしてみてください!


クイズに挑戦する

とうもろこしって野菜じゃないって知ってました?

トウモロコシはイネ科・トウモロコシ属に分類される穀物の一種です。そうです、一見野菜のようで、実はお米や小麦と同じ「穀物」に分類されます(ウッディプッディでは便宜上”やさい”として販売していますが…)。

 

初めに日本にやってきたのは、室町から安土桃山時代の16世紀頃にポルトガル人によって伝えられました。「唐(当時の中国)」からやってきた「モロコシ」のような植物=「トウモロコシ」と、名前の由来は至ってシンプル。

 

ここで登場する「唐黍・唐土(もろこし)」とは、一足早く日本に伝来した穀物の一種で、同じく中国から来た穀物です。普段はあまり聞きなれない食べ物ですが、お米に比べて食物繊維やミネラルが豊富なこともあり、実は現在でもグラノーラやスナック菓子などに多く使用されています。

 

トウモロコシの漢字表記は「玉蜀黍(とうもろこし)」ですが、同じくトウモロコシを指す「南蛮黍(なんばんきび)」の異名もあります。ちなみに英語なら「CORN」、中国語なら「玉米(イーミー)」。「唐」から来た「唐黍/唐土(もろこし)」ですが、「もろこし」にはすでに「唐のもの・唐から来たもの」という意味が含まれているため、意味が二重になってしまいますよね。そこで、黄色の粒がキレイに並ぶさまから、宝石を意味する「玉」という漢字を使用し、「玉蜀黍」という漢字に至ったとされています(諸説あります)。

品種によって異なるトウモロコシの用途

醤油を塗って焼いたり、便利な缶詰になっていたり、シリアルの原料になったり、トルティーヤになったり、トウモロコシの活躍の場は実に様々。多彩な顔を持つトウモロコシは、品種によって活躍の場が大きく異なります。中には食用以外の用途に使われるトウモロコシも存在するとか…。以下は主な品種とその用途についてまとめたものです。

トウモロコシの構造と名称

とうもろこしは大きく3つのパートに分かれます。

 

①苞葉 – ほうよう

「苞(ほう)」とも呼ばれるこの葉っぱ、まるでトウモロコシを守るように周囲を覆っていますね。また、花の場合はつぼみの段階でその周りを包むように葉っぱが変形した部分をいいます。たんぽぽがそのいい例で、花が咲いた後は、花のすぐ下に開いています。

 

② 絹糸 – けんし

ヒゲにたとえられるトウモロコシの糸は「絹糸」と呼ばれます。その正体は「めしべ」、つまりここで受粉をしてとうもろこしが育つんですね。絹糸はひとつひとつの粒から1本ずつ伸びているので、実は粒とひげの本数は同じなんです。そのまま食べることはありませんが、食物繊維や鉄分を多く含む他、更年期障害やPMS(生理に伴う体調不良)の緩和効果が期待されることから、漢方やお茶として親しまれています。

 

③穎果 – えいか /子実 – しじつ

トウモロコシの粒は、果実や種子を意味する「子実」にあたります。別の呼称には「穎果」がありますが、こちらはイネ科に属する植物の果実を指す言葉で、とうもろこしの他には小麦や籾(ざっくり言えば殻付きのお米)などがそれに当たります。

トウモロコシの主な栄養素

トウモロコシと言われると、「甘い=糖質=体に良くない!?」と思われがちですが、実は糖や脂肪の代謝、コレステロール値低下に欠かせない栄養もしっかりと含まれています。次に、私たちの健康を支えてくれるトウモロコシの主な栄養素をご紹介します。

 

①糖質

 世界三代穀物の一つとして、古くから人々の食生活に欠かせないトウモロコシ。その理由として、私たちのエネルギー源となる糖質を豊富に含むことが挙げられます。現代の日本ではやや過剰摂取になりがちなので要注意。必要以上に摂取すると脂肪となって、非常時の時のために体に蓄積されます。

 

②ビタミンB1

 糖質をエネルギーに変換する(代謝する)重要な役割を担うビタミンB1。不足したまま糖質過剰になると、うまくエネルギーに代謝されず頭がぼーっとし、疲労回復どころかむしろ疲れが取れなくなってしまいます。その他、脳や神経を正常に保つ、精神的な安定性を保つなど、糖質と同等に私たちの健康的な生活に欠かせない存在です。トウモロコシの他には、大豆、豚肉、ナッツ、ほうれん草などに多く含まれます。

 

③ビタミンB2

 ビタミンB1が糖質の相棒なら、ビタミンB2はなんの相棒…? そう、脂質です。ビタミンB1と同じく、脂質を体のエネルギーとして代謝するために欠かせない栄養素です。さらに体内に蓄積した過酸化脂肪(酸化した脂肪)の分解・排出の役割も担うため、肥満や生活習慣病予防にはうってつけです。トウモロコシの他には、納豆、アーモンド、レバー、卵などに多く含まれています。

 

④食物繊維(セルロース)

 トウモロコシのシャキシャキとした歯応えを生み出す食物繊維「セルロース」は、血中コレステロール値の減少や老廃物を排出(便通の促進)する働きがあります。

 

⑤カリウム(※絹糸部分に含まれる)

 トウモロコシヒゲ茶として親しまれる絹糸には、カリウムが豊富に含まれています。カリウムは主に食塩を通して接種されるミネラルの一種「ナトリウム」と深い関係性があり、例えばナトリウムと作用し合うことで体内の水分量を調節したり、筋肉の正常な動きを保つ役割を持つ名コンビです。しかし時には、そんな相棒のナトリウムを体外に排出してしまうことも…。というのも、食塩の過剰摂取による血中ナトリウム濃度の上昇は高血圧の原因となるため、カリウムは正常な血圧に保つためにナトリウムの量を調整する働きを持つのです。

【親子でカンタンレシピ】トウモロコシたっぷりピザ

親子で楽しく作れる「トウモロコシたっぷりピザ」のレシピをご紹介します。ウッディプッディのおままごとで遊んだ後は、本物のトウモロコシを使って楽しい&美味しいレシピにトライしてみてください!


レシピはこちら

【食育クイズ7月号】スイカはなんで”西瓜”って書くの?

ウッディプッディ,食育クイズ,2022年7月,スイカ

ウッディプッディ,食育クイズ,2022年7月,スイカ

食育クイズとは?

毎月19日頃に開催する、旬の食材をテーマにしたクイズです。正解者の中から抽選で、テーマになった食材のおもちゃをプレゼント!どなたでもご参加OKですので、ぜひチャレンジしてみてください!


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スイカはどこからきた?

スイカの属するグループ「ウリ科」には、私たちが日常的に口にする野菜や果物がたくさんあります。メロン、きゅうり、かぼちゃ、ズッキーニなどが、その代表的な例です。

 

そんなスイカは漢字で「西(にし)」の「瓜(うり)」と書いて「西瓜(すいか)」と書き、名前の通り「西からきた瓜」という意味を持っています。スイカの起源は紀元前5000年前のアフリカまで遡り、約2000年後の紀元前3000年頃には、エジプトで栽培された歴史が確認されています。やがて大陸を渡って中国に伝わると、「西からきた瓜」=「西瓜(シーグァ:Xīguā)」と名付けられます。

 

日本へ伝来したきっかけはポルトガル人や中国人など諸説ありますが、「すいか」という呼び方は中国語の「シーグァ」に由来すると考えられています。十九世紀頃には全国各地で栽培が進み、一般家庭へ広く浸透しました。

 

今でこそ日本の夏の風物詩として親しまれるスイカですが、もとはずっと離れたエジプトやアフリカで誕生したんですね。

 

スイカは野菜?果物?

「野菜か果物か」は、こちらの食育クイズで毎月恒例になりました。特にスイカはその論争の代表にとも言える食べ物。

 

一般的なスーパーでは野菜コーナーよりも果物コーナーで見かけるスイカですが、農林水産省の分類では「果実的野菜(果物のような野菜)」に分類されることから、厳密には「野菜」なんだそうです。

 

まあ、美味しければどちらでもいいですよね。

スイカの美味しさは「黒い線のキレイさ」に表れる

美味しいスイカの見分け型として、よく紹介されるのは「コンコン」とノックするように叩いて、音が響かなければしっかり身が詰まっていれば美味しい、逆に音がなるほど果肉の密度が低くて美味しくない、というものがあります。

 

でも、売り物を一つ一つ叩いて確かめるわけにはいきませんよね。そんなあなたにオススメなのが、スイカの「黒い線」で見分ける方法です。

 

スイカの縞模様は育った環境に影響を受けやすく、環境の乱れが大きいほど縞模様に偏りや乱れが生じ、一方で、安定した環境で育ったスイカほど、整った縞模様に仕上がります

 

また、美味しいスイカでも鮮度の低下に応じて果皮のツヤがなくなり、模様が徐々にぼやけてしまうので、スイカの美味しさと鮮度の両方を一目で見分けることができます。スイカを選ぶ際はぜひ「黒い線」に着目してみてください!

 

スイカを形成する3つの層

 

果実は基本的に、外から「外果皮(がいかひ)」→「中果皮(ちゅうかひ)」→「内果皮(ないかひ)」と3つの層が種子を守っています。私たちが食べるスイカの赤い部分は、その中でも3番目に当たる「内果皮」にあたります。といっても、私たちが普段食べる野菜や果物の果肉は、必ずしもスイカと同じ内果皮に当たるわけではありません。

 

例えば、スイカと同じく夏頃に旬を迎える「モモ」の可食部分は「中果皮」で、スイカに置き換えると赤い果肉と外側の緑色の皮に挟まれた白っぽい部分です。反対に、スイカの赤い部分=「内果皮」をモモに置き換えると、桃の中央で種を包む硬い殻がそれにあたります。

 

一口に「野菜」「果物」と言っても、スイカのように外果皮・中果皮でしっかりと種を守る種類があれば、モモのように内果皮でしっかりと種を守るものまで、特徴はさまざまです。

 

スイカの主な栄養/機能性成分

【βカロテン(ビタミンA)】

体内ではビタミンAとしての作用をもつβカロテン。ビタミンAとの違いは、アンチエイジングの役割を担う「抗酸化作用」の働きを持つことです。偏食、喫煙、偏った運動など、体に負担をかけると発生する「活性酸素」を除去する働きがあります。

 

そのまま放っておくと細胞を傷つけ、老化、がん、生活習慣病の原因になることから目の敵にされがちな活性酸素ですが、本来はダメージから体を守る免疫機能の働きを持つ大切な存在です。しかし、過度に負担がかかることで過剰生産され、結果として細胞を傷つける原因になってしまう…。つまり、老化や病気は活性酸素自体が悪いわけではなく、わたしたちの生活習慣自体が原因なのです。

 

食生活や適度な運動など、可能な範囲で自分の体を労わりつつ、夏バテなどどうしても負担がかかってしまう時は、スイカの抗酸化作用に助けてもらいましょう。

 

【ビタミンA】

・目の働きを正常に保つ暗いところでも慣れて周りが見えるようになる力、色の違いを見分ける力はビタミンAの働き!(=夜盲症を防ぐ)。

・粘膜と肌を守り細菌ブロック粘膜を保護し、肌を乾燥から守ってくれる。

・子どもの成長を促進する細胞や組織が増えるときに必要なため、子どもの骨の成長に大きく関わる。

・感染症を予防外界からの病原菌などが体に侵入するのを防ぐ。

・免疫力アップ風邪やインフルエンザなどが流行する時期に積極的に取り入れることで体が守ってくれる。

・がんのリスクを軽減する肺がん、胃がん、子宮がんなどのがんや動脈硬化を予防する役目がある。

 

【ビタミンC】

・コラーゲンをつくるコラーゲン量がたくさんあると傷や炎症が早く治る。

・アンチエイジング効果があり、抗酸化作用で酸化=老化の予防を助ける傷ついた細胞を修復し、疲れの元や老化の原因を排除するまた、血管の健康維持に働く。

・鉄や銅の吸収をよくするビタミンCと鉄や銅を一緒に摂ることにより腸内で吸収しやすくする。

・シミを予防するメラニン色素がつくられるのを抑える。

・免疫力を高める白血球の働きを強化し、免疫力を高めるビタミンCを多く摂取すると風邪を引きにくく、もし引いても早く回復する。

・インターフェロン(ウイルス系の病気から体を守るたんぱく質)がつくられるのを促進する。

・ストレスに対抗する力をつくる抗ストレスホルモン(ノルアドレナリン)をつくり、ストレスを緩和するビタミンCが不足すると抗ストレスホルモンが十分につくられず、ストレスに負けてしまう!

・LDL(悪玉)コレステロールの酸化を防ぐ動脈硬化などの生活習慣病を予防する。

・ 肌のハリを維持する皮膚や骨を強く保つのに必要。

 

【シトルリン】

・利尿作用

・抗酸化作用

・血流をよくするシトルリンのサポートにより動脈が広がって血流がよくなるため、むくみや冷え性の改善、皮膚の新陳代謝を助ける。

・運動能力を高める血流をよくすることにより、体内で摂り込んだ酸素、糖質、たんぱく質などを効率よく代謝し、持久力アップに繋がる。

・疲労の軽減に良い疲労物質であるアンモニアの解毒に関わり、疲労回復を助ける。

 

【親子でカンタンレシピ】スイカのフルーツポンチ

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親子でカンタンに作れる「スイカのフルーツポンチ」のレシピです。大きなスイカにかぶりつくのも夏の醍醐味ですが、他のフルーツと好きな形に型抜きを楽しみながら作るのもオススメです!


レシピはこちら

食育クイズにチャレンジ!

今回のクイズは全部で2問あり、そのうち1つはこちらの記事の中に答えが隠されています。今月はテーマとなっている「スイカ」の木製おままごとがプレゼントです。ぜひチャレンジしてみてください!

 

最後までお読みいただきありがとうございました。


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食材情報監修:皐月(栄養士・野菜ソムリエ)

レシピ監修:広瀬彩夏(管理栄養士)

編集:平子(ウッディプッディ)

【親子でカンタンレシピ】結局ピーマンはコレが最強「ピーマンの肉詰め」

材料

・ピーマン:3個

・合い挽き肉:100g

・スライスチーズ:1枚

・玉ねぎ:25g

・小麦粉:少々

・パン粉:大さじ1

・溶き卵:大さじ1

・塩:ひとつまみ

・コショウ:少々

・ケチャップ:大さじ山盛り1

・ウスターソース:大さじ1/2

作り方

①ピーマンは縦半分に切ったあと、横にも半分に切る。洗って種を取る。

②たまねぎを微塵切りにして、耐熱容器に入れ、ラップをかけて600Wで50秒加熱する。

③ボウルに合い挽き肉、塩、コショウ、パン粉、溶き卵に加えて、②の玉ねぎを入れてよくこねる。

④ピーマンの内側に薄く小麦粉を振ってから、横向きにつまようじを刺す。

⑤④のピーマンに③を詰めていく。

⑥フライパンで⑤を焼く。この時、お肉の面が下になるようにして焼くこと。

⑦焼目がついたら、裏返して水を少量加え、ふたをして蒸し焼きにする。

⑧火を止めたらお肉の面にチーズをのせ、蓋をして余熱でチーズを溶かす。

⑨中身をお皿に盛り付ける。その際、⑧のフライパンは洗わずに、そのままケチャップとウスターソースを加えて煮詰め、ソースを作る。

レシピのポイント

①で種を除く際、ピーマンの実を破かないよう注意してください。

④小麦粉をまぶすことで、お肉とピーマンが分離しづらくなり、型崩れを防いでくれます。

⑤でピーマンにお肉を詰める際、事前に爪楊枝を刺しておくと、より作業がやりやすくなります。

⑤のお肉は、ピーマンよりも少し多めに盛り上がるくらい詰めることで、焼き縮みしても見た目が綺麗に仕上がります。

お子様におすすめのポイント

◯苦味について

ピーマンの苦味の元である「ピラジン」は、種の周りのわたに含まれているので、苦味が心配な時は種を取る際にわたをしっかり取り除きましょう(あえて少し残すことで、ピーマンの味に慣れさせるという方法もOKです!)。

 

◯大きさについて

小さなピーマンを使用することで、一口サイズの食べやすい大きさに仕上げることができます。お子様にとってはサイズも食べるハードルに関わってくるので、苦味だけでなく大きさにも注目してみてください!

レシピ監修:広瀬彩夏(栄養管理士)

【食育クイズ6月号】これを読めばピーマンがもっと好きになる!

目次

食育クイズとは?

毎月19日に開催する、旬の食材をテーマにしたクイズです。正解者の中から抽選で、テーマになった食材のおもちゃをプレゼント!どなたでもご参加OKですので、ぜひチャレンジしてみてください!クイズの答えはこのコラムのどこかに隠されています。


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ピーマンは未熟な段階で収穫される野菜だった?

ピーマンとパプリカはいずれも「ナス科トウガラシ属」に属する仲間で、品種改良によって唐辛子の辛味成分がなくなった野菜です。一般的に目にする緑色のピーマンは、実は未熟の段階で収穫されたものであり、一方で完熟して赤や黄色に色づいたものが「カラーピーマン」と呼ばれます。品種によって大きさや形が異なり、完熟したものの中で特に大型のものが「パプリカ」と呼ばれます。

ピーマンの苦味は動物から身を守るための鎧

ピーマンの苦味は主に2つの成分によって発生します。1つは「ピラジン」というピーマン特有の成分で、独特の青臭さの原因となるもの。もう一つは「クエルシトリン」と呼ばれるポリフェノールの一種で、渋い味を醸し出すもの。この2つによって、ピーマン特有の「苦味」が構成されています。

 

数ある野菜の中でも、特に苦味が強いピーマンですが、それにはれっきとした理由があります。先に書いたように、緑色のピーマンはまだ「未熟」の状態。その段階で動物に食べられてしまっても、しっかりと種を残して繁殖することができません。そのため、青臭さや苦味によって動物に食べられないよう自分の身をしっかりと守っています。

 

やがてしっかりと熟した頃になると、掌を返すように態度が一変するピーマン。甘みが増すだけでなく、赤や黄色の派手な装いに変化し、逆に動物に食べてもらうためにアピールするようになります。これはピーマンの繁殖が大きく関係してます。ピーマンは動物によって食べられたのち、その種がフンと一緒に体外へ排出されます。動物によって元の場所から移動し、異なる場所で排泄されることで、より広範囲で繁殖することが可能となります。

 

緑色のピーマンに比べて、色づいたピーマンやパプリカが甘く食べやすいのは、ピーマンが「食べごろだよ!もう食べていいよ!」と教えてくれているからなんですね。

ピーマンを選ぶ際には「ヘタ」に注目!

ピーマンのヘタには「五角形」と「六角形」のものがあることをご存知でしたか?実は六角形のものの方が栄養がたっぷり詰まっており、同時に糖度が高く比較的苦味も少ないものになります。

 

ピーマンは袋に入って販売されていることが多いので、購入の段階でしっかり見ることは難しいかもしれません。個別で販売されているときや、調理の前に「どっちかな?」とチェックして見てください!

ピーマンに含まれる栄養とその働き

【ビタミンA】

・目の働きを正常に保つ

暗いところでも目が少しずつ見えるようになる力は、ビタミンAがサポートしてくれているおかげです。

・肌や粘膜を細菌から守る

乾燥によって鼻や喉の粘膜が弱る寒い時期は特に大切。さらに病原菌が外界から侵入するのを防いだり、免疫力を保つ役割もある優れものです。

・子どもの成長を促進する:

体の細胞や組織が増える際に必要なビタミンAは、子どもの身体、特に骨の成長に大きく貢献します。

 

 

【βカロテン】

・ビタミンAと同じ働きを持つ:

体内でビタミンAとして働くβカロテン。にんじんに含まれるイメージが強いですが、ピーマンにもしっかり含まれています。

・抗酸化作用による活性酸素の除去:

偏った食事や過度な運動、または喫煙など、体への負担によって生まれる活性酸素は、細胞の劣化、がん、生活習慣病、老化の原因となる存在です。そんな活性酸素を取り除いてくれるのも、βカロテンのすごいところ!※βカロテンは「脂質」と一緒だとより効率的に吸収されます。

 

【ビタミンE】

・抗酸化作用によるアンチエイジング:

βカロテンに負けない抗酸化作用を持つビタミンE。特にシミやシワ、皮膚の老化を防ぐことで有名です。紫外線の強い夏の時期には欠かせない栄養素です。

・血行不良による症状改善:

毛細血管を広げて血行を良くし、主に冷え性や頭痛、肩こりなどの症状緩和に一役買います。ビタミンB群と併せてとることで、より効果的に。

・ホルモンバランスを整える:

女性ホルモンの分泌を促し、月経前のイライラ、生理痛、生理不順を改善するほか、更年期障害に悩む方にも心強い味方。妊活中の方にもピッタリです。※ビタミンEは「油」と一緒に食べることでより効率的に吸収されます。

 

【ビタミンB1】

・糖質をエネルギーに変換する:

糖質はただ摂取するだけでは、頭がぼーっとしたり、疲労を感じたりしてしまいます。しっかりとエネルギーに変えてくれるビタミンB1と合わせて取ることを心がけましょう。

・脳と神経を正常に保つ:

エネルギ不足を解消し、精神的な不安やイライラを生じにくくさせます。※体に蓄積されないため、毎日コンスタントに摂取することが大切です。

 

【ビタミンC】

・コラーゲンを作る:

美肌を保つイメージのコラーゲンですが、じつは傷や炎症の治癒にも欠かせない成分なのです。

・抗酸化作用によるアンチエイジング:

ビタミンEと同様のアンチエイジング作用があります。

・免疫力を高める:

白血球の働きを強化し、免疫力を高める。風邪をひきにくくしたり、風邪をひいても早く回復するなど、強い体づくりの心強い味方です。

・ストレスに対抗する力を作る:

抗ストレスホルモン「ノルアドレナリン」を作り、ストレスを緩和。心身のストレスは体のビタミンCを大量に消費するので、ビタミンBと同様にコンスタントに摂取することが大切です。※ピーマンに含まれるビタミンCの量は、なんとレモンの約3倍!

 

【ピラジン】

・血液や血行をよくする:

ピーマンの青臭さの正体であるピラジンですが、心筋梗塞や脳梗塞の原因となる血栓を防ぎ、血液をサラサラにすることで、頭皮の血行を良くしたり、冷え性の改善にも役立ちます。

ピーマンの語源はフランス語?

「ピーマン」という名前の語源は、一説にはフランス語の「トウガラシ」を意味する「piment(ピメン)」と考えられています。それなら、フランスでもピーマンは「piment」で通じるの?と思いきや、ピーマンは「poivron(ポワブロン)」という別の単語があります。なぜピーマンを意味する言葉がありながら、あえてトウガラシを意味する「piment」が語源になったのでしょうか…。言葉とは不思議なものです。

【今月のレシピ】親子で作れる「ピーマンの肉詰め」



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