WOODY PUDDY

社長ブログ

ウッディプッディ物語⑫ 2026年2月26日 快晴

2026年2月26日。

空は、驚くほどの快晴です。

ふと気づきました。
2006年2月26日――あのオープンの日も、同じように晴れていたのです。

偶然でしょうか。
それとも、何かのご縁でしょうか。

20年前の朝、
私たちは緊張でいっぱいでした。
晴れていることに気づく余裕すらなかったかもしれません。

そして今日。
同じ2月26日、同じ快晴の空の下で、
20年前の映像を見返しています。

カメラは少し揺れ、
画質も決してきれいではありません。
でも、そこには確かに

・若い社員たちの真剣な表情
・お客様が店内に入ってくる瞬間の高揚
・そして、どこか落ち着かない私の姿

が映っています。

「ああ、本当にここから始まったのだな」

そう思える記録です。

この映像を、いま皆様にお見せできること。
それは会社にとっても、私にとっても、大きな喜びです。

20年続けられたことは、奇跡ではありません。
支えてくださった方々の積み重ねの結果です。

今日のこの快晴の空のように、
これからも澄んだ気持ちで歩んでいきたいと思います。

どうぞご覧ください。
20年前の、はじまりの日を。

感謝。

ウッディプッディ物語⑪ 2006年2月26日 ― オープンから、もうすぐ20年

オープンから、もうすぐ20年

2006年2月26日。

あの日、扉を開けた小さな店が――

もうすぐ、20年を迎えます。

20年。

数字にすると簡単ですが、
振り返ると、まるで一本の長い映画のようです。

正直に言えば――
この20年のあいだに、何度も思いました。

「もう、玩具事業はやめようか。」

本当に、何度もです。

売上が伸びない日。
在庫が積み上がる日。
為替に振り回される日。
展示会で手応えがなく、帰りの飛行機で黙り込んだ夜。

それでも続けてこられたのは、
社員がいたから。
お客様がいてくださったから。

支えてくださったすべての方に、
ただただ感謝しかありません。

オープン当時の様子を知る社員は、
いまでは数人だけになりました。

時代は変わり、
売り場も変わり、
商品も進化しました。

でも、あの日の緊張感と、
「可愛い」という声が店内に響いた瞬間の温度だけは、
今も変わらず胸の中にあります。

ふと思い立ち、
オープン当時の録画を探してみました。

あるはずがない、と思いながら。

古い箱を開け、
埃をかぶったCDを見つけ、
半信半疑で再生すると――

ありました。

残っていたのです。

2006年2月26日、午前10時。

扉が開き、人が流れ込み、
ぎこちなく動く若い社員たち。
少し痩せて、少し若い私。

画面の中の自分に、思わず笑ってしまいました。

あのときは、
20年後のことなど、1ミリも考えていなかった。

ただ必死でした。

でも、あの日の必死さがあったから、
今日があります。

映像は20周年になる2月26日に公開します。

ウッディプッディ物語⑩ 2006年2月26日 ― その扉が開いた日

2006年2月26日。
いよいよオープンの日を迎えました。

なぜ2月26日だったのか、正直なところ、今となってははっきり覚えていません。
けれど、その日の緊張感だけは、今もはっきりと胸に残っています。

開店は午前10時。
社員は朝8時に集合し、それぞれの持ち場へ。
何度もシミュレーションを重ね、準備は整っていました。

事前に新聞広告でご案内を入れていた地域は、西宮市、芦屋市、神戸市東灘区、灘区、中央区。
本当にお客様は来てくださるのだろうか――。
そんな不安とは裏腹に、開店前にはすでにたくさんの方が玄関前に並んでおられました。

先着200名様へのプレゼントをご用意していましたが、
10時、扉が開くと同時に、店内へとお客様が流れ込みます。

オープン記念商品は、あっという間に完売。
店内のあちらこちらから聞こえてきたのは、

「可愛い…」
「わぁ、これ見て…」

という声。

その言葉を聞いた瞬間、
胸の奥にあった不安が、すっとほどけました。

「やった…」

心の中で、そうつぶやいていました。

初日の売上は約180万円。
ご祝儀もあったのだと思います。
想定を超える数字でした。

天然木のベッド、椅子、学習机などの家具は単価こそ高いものの、
木の温もりや質感に共感してくださるお客様が次々と選んでくださいました。

そして、家具よりも手に取りやすい木製玩具も大人気でした。
特に“ままごと”シリーズ。
マグネットを使った仕様は、当時主流だったマジックテープとは違い、
切ったときの感触が美しく、ゴミもつきにくい。

その「違い」を、きちんと感じ取ってくださるお客様がいたことが、
何より嬉しかったのです。

店内のあちこちで「可愛い」という声が響く。
その響きに包まれながら、私は静かに安堵していました。

けれど――

この先、何が待っているのか。
本当の意味での挑戦は、ここから始まるということを、
そのときの私たちは、まだ知る由もありませんでした…

ウッディプッディ物語⑨ 時間よ、止まれ。オープン目前の夜明け

時間よ、止まれ。オープン目前の夜明け

― 時間よ、止まれ。オープン目前の夜明け ―

あっという間に2005年が過ぎ、
ついに2006年――オープンの年がやってきました。

待ちに待ったはずなのに、胸の奥は不安でいっぱい。
「もう少し…もう少しだけ時間がほしい。」
そう願っても、時計の針は止まってくれません。

再度、オープンまでにやるべきことをリストアップしてみました。
すると――まだ50%しか終わっていない。
残りの半分を、あと1か月で本当に終えられるのか?

青ざめる。
心の中で叫びました。

「時間よ、止まれ!」

けれど、止まるわけがありません。
やるしかない。
私たちは、優先順位を決め、もう一度全員で業務を洗い直すことにしました。

担当を再配分し、チームを再編成。
“もう一度ゼロから立て直す”気持ちで走り出します。

1月10日、船積み。
店への到着はおよそ20日頃。
届いたらすぐに開封し、商品価格を決めなければなりません。

しかし――ここで大きな壁が立ちはだかりました。
今まで私たちは卸専門。
小売価格の決め方がまったくわからないのです。

「どうやって価格をつければいい?」
「利益率は? 市場価格は?」

100円均一ならすべて同じ値段。
けれど、木製玩具や家具はまるで違う。

扱う商品は、
木製玩具と雑貨が50種類、家具が20種類。
ひとつひとつ、名前・原価・市場価格・見た目の印象を照らし合わせながら決めていく。

気が遠くなるような作業。
それでもやらねばならない。

机に積み上がった書類を前に、
何度も深呼吸をして、心の中でつぶやきました。

「ああ…本当に、死にそうだ。」

それでも、手は止めませんでした。
夢の扉が、もうすぐ目の前に見えていたからです。

続く→

ウッディプッディ物語⑧ いよいよ年の瀬、オープンまであと2か月

いよいよ年の瀬、オープンまであと2か月

― いよいよ年の瀬、オープンまであと2か月 ―

ついに12月。
一年の終わりとともに、ウッディプッディの物語も大きな節目を迎えようとしていました。
オープンまで、残された時間はたった2か月。

でも――まだ何ひとつ、完璧にはできていない。
焦りと不安が、毎日のように押し寄せてきます。

1️⃣商品

中国の工場から、ようやく見本が届きました。
スタッフ全員で集まり、一つひとつ丁寧にチェック。
最終の仕様を決め、何とか1月の船積みに間に合わせる段取りを整えました。

しかし、初回生産は200個単位。
工場側からは「これじゃ赤字だ」「人件費も出ない」と不満の声。
でも、ここで折れるわけにはいきません。

「最初から利益なんて考えるな。夢を信じろ!」
――そう心の中で叫び、自分自身を奮い立たせました。

2️⃣スタッフの挑戦

店舗スタッフ5人が中国の工場へ出張。
実際の製造現場を見て、ものづくりのリアルを学んでもらうためです。
ただ、ほとんどの社員にとって工場を訪れるのは初めての経験。
「大丈夫かな…?」と内心ハラハラしながらも、
きっとこの経験が彼らの成長につながると信じて送り出しました。

3️⃣店舗内装

店内はようやく70%ほど完成。
木の香りが漂い、少しずつ「ウッディプッディらしい空間」が形になってきました。

しかし、店舗運営には家庭とは比べものにならないほどの設備が必要です。
300坪もの広さに、天井には大型エアコンを4台設置。
このときはまだ――
そのエアコンの電気代が想像を絶する金額になるとは、誰も知りませんでした。

4️⃣契約、契約、また契約

警備会社、駐車場、電気保安協会、自動ドアのメンテナンス会社…。
次々と契約書に印鑑を押しながら、
「これで本当に間に合うのだろうか?」と胸がざわめきます。

不安、不安、また不安。
まるで心が押しつぶされそうになる。

それでも――
最後はいつもの言葉で、自分を奮い立たせました。

「何とかなるさ。きっと何とかなるさ。」

そう信じて、また前へ。
木の香りに包まれながら、私たちは未来へと歩き続けました。

続く→

ウッディプッディ物語⑦ 決断の10月、覚悟のとき

決断の10月、覚悟のとき

オープンまで、もう後がない。
10月末までに発注を終えなければ、
1月初旬の船積みに間に合わず、
商品が届くのは1月20日を過ぎてしまう。

生産に残された時間は、わずか2か月。
決断の時が来た。

玩具と家具を合わせて発注金額は約2,000万円。
「本当に売れるのだろうか?」
「もし在庫の山になったらどうしよう…?」

夜、静かなオフィスで、
ひとり電卓を叩く音だけが響いていました。

内装工事は少しずつ形になってきたものの、
問題は次々に押し寄せます。

商品の検品は、中国駐在員に任せることにしました。
しかし、彼には玩具の経験はあっても、家具の経験がない。
「家具はどうする?」
その不安が胸に重くのしかかります。

結局、家具経験者の採用を決断しました。
日本で2名、中国で3名。
合わせて5名の新しい仲間を募集することに。

けれど、新たな疑問が浮かびます。
日本で採用した2人は、本当に中国勤務を引き受けてくれるのだろうか?
言葉の壁は? 通訳も必要になる。
気づけば、経費は当初の見積もりをはるかに超えていました。

聖書にはこう書かれています。

「塔を建てようとする者は、まず費用を計算しなければならない。」

まさにその通りでした。
予想外の出来事が次々に起こり、
山のような課題が目の前に積み重なっていく。

それでも、私たちは立ち止まりませんでした。

恐れよりも、信じる気持ちを選ぶ。
迷いよりも、前に進む勇気を選ぶ。

そう――前進あるのみ。

続く→