木のおもちゃと愛情ホルモン「オキシトシン」

 人と人がふれあうことで『オキシトシン』というホルモンが分泌されます。別名『愛情ホルモン』『絆ホルモン』『信頼ホルモン』とも呼ばれるオキシトシンはここ数年で様々な実験や研究がなされ、テレビや雑誌で取り上げられることも増えたので、ご存じの方も多いかと思います。

オキシトシンってナニ?効果は?

このオキシトシン、先にあげた別名の通り分泌することで愛情や絆、信頼が深まり、幸福感を得やすくなると言われています。また不安やストレスを減少させる、緊張を緩和する、記憶力、免疫力、自己肯定感のアップなどの効果もあります。

ということで、人が安心して健やかに過ごすために欠かせないホルモンなのです。

そして最近の研究では『人にふれなくても分泌される』こともわかってきました。

例えば、映画を見て感動する、楽しくおしゃべりをする、初めてのことにチャレンジする、親切やボランティア活動をする、など人と楽しく関わることで分泌します。

また人ではなく、ペットや肌触りの良いものにふれることで分泌することもわかっています。

肌触りの良いモノにふれる効果

オキシトシンには『痛みを取る』という効果があることも実験結果が出ています。

この実験では、いろいろな肌触りの布を準備して、一番心地が良いものと悪いと感じるものを選びます。そして片方の手(仮に右手)でどちらかの布を触り、もう片方の手(左手)は氷水につけ、左手の痛みを計測しました。すると、心地よい布を触っているときの方が痛みが少なく感じるという結果が出ました。

このことから、わが子が転んだときなどに思わず「痛いの痛いの飛んでいけー」と声をかけながら、ママの優しい手で膝をさすることや、「お腹が痛い」というわが子のお腹を優しくさすることは、実際に痛みを軽くしてあげられているということになるんです。

木のぬくもりからよみがえる記憶

肌触りの良いおもちゃにふれることでも多く分泌するオキシトシン。

ふれるのは肌ですよね。

人の臓器の中でも肌は一番長く、生まれた瞬間から亡くなる直前までその機能を発揮します。肌は一生ものなのです。

小さい頃、パパやママの膝に座っていた記憶(私は父の膝に座って貧乏ゆすりをされるのが大好きでした・笑)、そして一緒に遊んだ木のおもちゃの一瞬ひんやり、そのあとスベスベで温かみのある気持ちいい肌触りを、大人になって、親になって、きっと思い出すことでしょう。

木のおもちゃの肌ざわりは懐かしい感覚と共に、昔の記憶もよみがえらせてくれます。

そして、自分がどれほどの愛情を受けて育ったのかを改めて思い出させてくれるのではないでしょうか。

ライター:藤野ゆか

2006年から7年間ベビーマッサージ資格スクールを運営、2013年からは抱っこセミナー、ママ起業セミナー、SNS活用セミナーなど全国で開催。 2017年から『抱っこ育児コミュニケーター講座』を開講し、抱っこ育児を伝える講師を育成中。 また2020年より『スマホひとつで動画編集講座』を開講、毎回満席となっている。

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