WOODY PUDDY

ウッディプッディ物語⑩ 2006年2月26日 ― その扉が開いた日

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2006年2月26日。
いよいよオープンの日を迎えました。

なぜ2月26日だったのか、正直なところ、今となってははっきり覚えていません。
けれど、その日の緊張感だけは、今もはっきりと胸に残っています。

開店は午前10時。
社員は朝8時に集合し、それぞれの持ち場へ。
何度もシミュレーションを重ね、準備は整っていました。

事前に新聞広告でご案内を入れていた地域は、西宮市、芦屋市、神戸市東灘区、灘区、中央区。
本当にお客様は来てくださるのだろうか――。
そんな不安とは裏腹に、開店前にはすでにたくさんの方が玄関前に並んでおられました。

先着200名様へのプレゼントをご用意していましたが、
10時、扉が開くと同時に、店内へとお客様が流れ込みます。

オープン記念商品は、あっという間に完売。
店内のあちらこちらから聞こえてきたのは、

「可愛い…」
「わぁ、これ見て…」

という声。

その言葉を聞いた瞬間、
胸の奥にあった不安が、すっとほどけました。

「やった…」

心の中で、そうつぶやいていました。

初日の売上は約180万円。
ご祝儀もあったのだと思います。
想定を超える数字でした。

天然木のベッド、椅子、学習机などの家具は単価こそ高いものの、
木の温もりや質感に共感してくださるお客様が次々と選んでくださいました。

そして、家具よりも手に取りやすい木製玩具も大人気でした。
特に“ままごと”シリーズ。
マグネットを使った仕様は、当時主流だったマジックテープとは違い、
切ったときの感触が美しく、ゴミもつきにくい。

その「違い」を、きちんと感じ取ってくださるお客様がいたことが、
何より嬉しかったのです。

店内のあちこちで「可愛い」という声が響く。
その響きに包まれながら、私は静かに安堵していました。

けれど――

この先、何が待っているのか。
本当の意味での挑戦は、ここから始まるということを、
そのときの私たちは、まだ知る由もありませんでした…

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