まだ4か月もある。そう思えた日

「もう4か月しかない」――そう思うたびに胸が締めつけられた。
でも、ある日ふと気づいたのです。

「いや、まだ4か月もあるじゃないか。」

そう考えた瞬間、心の中に少しだけ光が差し込みました。
何事も、受け止め方ひとつで見える景色は変わる。
そう信じて、私は頭を“ポジティブモード”に切り替えました。

まず取りかかったのは担当の明確化でした。
一人ひとりが責任を持って動けるよう、仕事を小さく分けていきます。

私は小売店舗の運営など初めての経験でしたが、
幸い、社員の中には店舗経験者がいました。
そこで、彼らの知恵と行動力に大きく頼ることにしたのです。

商品生産の担当、
店舗内装の担当、
オープニング準備の担当、
そして招待客の名簿整理の担当――。

それぞれが自分の持ち場で最善を尽くす。
私は全体の管理と進捗を見守り、
月に2回、全員で集まって会議を開くことにしました。

やるしかない。
もう、後ろを振り返っている時間はない。
前だけを見て、ただひたすら進む。

そんな日々の中で、
気づけば鏡の中の自分に白いものが少しずつ増えていました。

でも、それも悪くない――。
きっとこの白髪の一本一本に、
“夢を追った証”が刻まれているのだと思うのです。