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【インタビュー】「ひとりでできるもん」の生みの親が考案した「台所育児」とは?


『台所育児-一歳から包丁を-』。一見して目を疑うサブタイトルがついたとある本が、近年再注目を集めています。本書を執筆したのは、NHK教育番組『ひとりでできるもん』の生みの親である料理研究家の坂本廣子さん。 


そんな彼女が設立した料理教室「サカモトキッチン」は、現在実の娘である坂本佳奈さんが主宰しています。母廣子さんから受け継いだ「台所育児」について、ウッディプッディのスタッフがお話を伺いました。


世界の食卓を体験できる
料理教室



―今日はよろしくお願いします。

サカモトキッチンを主宰する坂本佳奈です。よろしくお願いします。

―はじめに、サカモトキッチンとはどんな料理教室なのか、簡単に教えていただけますか?

サカモトキッチンは、料理研究家・食育家であり、私の母である坂本廣子によって設立された料理教室です。NHKの『ひとりでできるもん』という教育番組をご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、あの番組の生みの親であり、監修も行っておりました。

現在は娘である私が引き継ぎ、主に3歳~小学生の生徒さんたちに料理を教えています。料理のテーマは毎年変わるのですが、今年(2021年度)は日本各地の郷土料理を始め、タイ、南インド、韓国、スウェーデンなど、月別に様々な国や地域をテーマとした献立を作っています。





スケジュールは月毎に分けられ、日本各地の郷土料理や世界各国の料理が振り分けられています。大人でも知らない料理名もちらほら...。

―日本料理は一括りではなく、地域ごとに分類されているんですね。このようなバリエーションに富んだテーマの設定には、どのような意図があるのでしょうか?

料理には、その国の文化や風習が色濃く反映されています。近年は国際交流を意識して英語学習が重視されていますが、伝え方だけでなく、伝えるべき内容、つまりアイデンティティとして自分の住んでいる国の文化を知っておくことも大切だと思うんです。

そして、料理の魅力とは、どんなに文化や言葉が違っても、一緒に食卓を囲むだけで仲良くなれることです。

例えば、お米一つとっても、日本、韓国、タイ、インドなど、国によって炊き方や食べ方が全く異なりますよね。

その時に、自分の文化について知っていて、その文化が反映された料理をみんなにふるまったり、そこで互いの違いについて触れ合ったりすることができれば、違う文化を持つ人たちと楽しく繋がれるんです。

サカモトキッチンでは、アイデンティティとしての日本各地の料理に、そして他国の料理に触れる機会を作ることで、文化毎に異なる魅力を発見してもらえることを大切にしています。









季節・地域・国ごとに異なる食材の特徴や調理法を紹介する坂本さん。実物と坂本さんお手製の教材に、子どもたちは興味津々の様子。

令和に再注目を集める
「台所育児」とは?




―サカモトキッチンのテーマでもある「台所育児」について教えて頂けますか?

始めにこの言葉を使い始めたのは、私の母でした。当時まだ私が幼いころ、実家は台所と居間とが同じ部屋にある狭い家でした。そのせいか、長男はよく台所にある食材や調理器具に興味をもって、よく母が料理する姿を見ていたんです。そこで、母が試しに長男へ調理器具を渡して、使い方を教えてあげたことが始まりです。

台所への出入りを自由にすると、大人があれこれ言わずとも、子どもは自然と料理や食材に興味を持つ様子を見て、「環境さえ整えてあげれば、あとはこどもがおのずと興味を持って、体験し、自分で学ぶ力があるんだな」と気づいたそうです。

つまり台所育児とは、料理を通して、子どもに体験することの大切さや楽しさを伝えることを意味します。

―確かに、「包丁があるから台所に来ちゃダメだよ」とか、「火が危ないから、あっちで遊んでてね」など、子どもは台所から遠ざけられているイメージがあります。

おっしゃるとおり、包丁や火など、台所には危険がたくさんあります。一般的には、「危ないから、近寄らないでね」とか「やめときなさいよ」と、せっかく子どもが興味を示したとしても、子どもを危険から遠ざけるためにストップをかけることが多いかと思います。

しかし台所育児では、子どもが「やってみたい」と思ったタイミングで体験させてあげることを尊重しています。

先ほど申し上げた包丁や火などの危険物に関しては、むしろ危険だからこそ、幼いうちに適切な扱い方を覚えることが大切です。

少し前の時代では、日常的に危険なものに触れる機会が多々ありましたが、近年は便利かつ安全に設計されているものが多いので、体験させてあげる環境やきっかけづくりを意識的に行う必要があります。





「包丁の角や先端にもしっかりと用途があります。角の丸い包丁では、正しい扱い方が学べないんです」と語る坂本さん。

―大きくなってからでは遅いのでしょうか?

意外かもしれませんが、実は幼い子どもの方が上手に扱えることが多いんです。

例えば、サカモトキッチンではマッチの付け方を教えるのですが、意外にも幼稚園児などの未就学児は上手にできる一方、年上の小学生はうまく火を起こせないことが多いです。

これは、年を重ねるほど「火は危なくて怖いもの」という前知識がある分、実際にそのものに触れるとなると、体がこわばって、うまく扱うまでに時間がかかります。

その点、比較的前知識が少ない幼い子どもの方が、まっさらな状態から知識を取り入れられるので、教えた通りに扱い方を身に着けられます。

手と頭の距離が近いうちに、めいっぱい手先を使うこと。大きくなって徐々にその距離が離れるにつれて、変に力が入ってしまうので、大きくなってから学ぼうとすると、そのための修正が必要になってしまうんです。





直火で油揚げを焼く様子。危険なものを一方的に遮断するのではなく、体験させてあげることで適切な扱い方を学べるという。

―なるほど。幼いうちに体験することは、まっさなら状態だからこそ、適切な知識や扱い方が身に着けられるんですね。各ご家庭で台所育児を始めるとしたら、どのくらいの年齢から始めた方がいいのでしょうか?

ご自宅で「台所育児」を始めるタイミングは、そのお子さん次第です。自分から台所に来て「なにしてんのー?」と興味をもったり、やりたがったりしたら、そこから始めてOK。逆に、親がいくら「おいでおいで」と言っても、お子さんが興味を持っていなかったら、ムリにやらせてはいけません。

料理の入口としておススメなのは、「やぶる」動作です。レタスをやぶるとか、のりをやぶるとか、とにかく手を使って料理をすることです。

あとは、味見係も欠かせません。実際わが家では、私の息子が味見係を担当していて、お味噌汁でも何でも「味見、おねがいします!」と呼べば、どこにいても来てくれて、味見をしてくれるんです(笑)。塩が薄いとか、濃いとかね。

―先ほど出た危険なもの、例えば包丁はいかがでしょうか。

子どもが包丁を使うのをサポートするには、ちょっとコツがあるんですよ。子どもが包丁を持っている時に、子どもの手を持つと、子どもは「自分でやる!」と言って振り払おうとすることがあるので、かえって危ないんです。

ですから、子どもの手ではなく、包丁を持ってあげる、というのがテクニック。包丁を持つのが難しいときは、にんじんやきゅうりなど、切る食材を抑えてあげるのもいいですね。

個人差はあるかもしれませんが、しっかりとサポートに徹してあげると、子どもの中では「自分ひとりでできた!」という気持ちになれると思います。小学校に入る前くらいの子どもに、「何でもできるんだ」「1人でできるんだ」という全能感を、料理を通して一度持ってもらいたいなぁと思っています。







サカモトキッチンで子どもたちが包丁を使うときは、必要以上に干渉せず、近くで見守ってあげたり、食材を抑えるなど、大人はあくまでサポートの立場に徹していました。

―小さなお子さんは、途中で飽きてしまいませんか?

子どもにとっても、台所に入ることは、真剣勝負なんです。

だから、最初から最後まで全部出来たらいいけれど、途中で疲れてしまうこともあります。「疲れた」「できない」となったら、その時はもうやめていいんです。おうちのいいところは、いつでもできて、いつでも止められる自由なところです。

「おいしいところだけ経験させているけれど、それでいいのかな?」と、心配する親御さんもいらっしゃいますが、最初はそれでいいんです。はじめは、興味を持って台所に入ってきてもらうだけでOK。

あるいは、色々やってもらおう、と欲張らないで、「ここだけはやってもらう」というのを、あらかじめ決めてから任せるのもいいですね。味見だけするとか、ご飯だけ炊くとか。

その代わり、一つだけ忘れないで頂きたいのは、1度子どもに任せたら口出ししないこと。「自分でできた!」と子どもが感じれるように、信じて任せてあげましょう。



台所育児は
「料理」じゃなくても
いいんです




―子どもの「自分でできた!」という体験を得るために、サカモトキッチンではどんなことを心がけていますか?

教室では、子どもが自分で考える時間、やってみたいということを試してみる時間、興味を持って挑んでみる時間など、子どもが自分の想いに従って行動する時間を大切にしています。

料理教室だけど、自発的に色々なことをトライできる空間ですね。一応お手本は見せるけれど、子どもが自分でやりたいという方法があれば、多少お手本と違っても、その方法で進める場合もあります。

子どもが自分で発見するのを待ってあげる環境であることを心がけています。

―子どもが新しいことに挑戦するとなると、親御さんは心配されませんか?

まさに、台所育児は親の覚悟が試されます。本当に危ない時は止めることはあるけれど、ちょっとくらい指切ったり、やけどしたりは、起こりますよね。人それぞれにご意見があるかもしれませんが、それを全部「あぶない!」と止めると、本当の意味での学びができなくなってしまうと思うんです。

それに、親目線では「子どもにこんな体験をさせたい」と考えるものですが、やるかどうかは結局子ども次第なんですよね。

こんなことお話していいのか分かりませんが、母親である私が料理教室の先生でありながら、実は上の子がお料理に全く興味を示してくれないんですよ。こんなに環境が整っていても、本人がやる気にならなければ、やりません。何度か誘っても「イヤ!やらない!」って言うんです。

そのくせ時々、私や他の人が料理をしている姿を横目で見て、終わってから「やりたかった」なんて言うこともあるんですけどね。その時は、始めからやり直すこともあります・・・(笑)




―お母さんが料理の先生でも、お子さんが料理好きかというと、必ずしもそうではないんですね。

「いい教育」と言われるものはたくさんあるけれど、自分の子どもに合っているかどうかは、産まれてみないとわからないんですよね。環境が整っていてもやらない子もいるし、何もしなくても自然にやっている子もいるし。

台所育児がいいからといって、自分の子に必ずできるかというと、そうとも限らないです。たとえできなくても、気にしなくていいんです。場所がきっかけになる場合もあるので、違う教室に連れていったら、やるかもしれません。とにかく「何が何でも台所育児!」って思わなくても大丈夫ですよ。

ただ、「お料理って楽しいよ」「ご飯っておいしいよ」と伝えることは大事だと思っています。美味しいものがあるときって、お子さんが寝静まった後に、夜にこっそり大人だけで食べる方もいらっしゃると思いますが、私の家では、美味しいものがあるときは、必ず子どもたちと一緒に食べることにしています。

美味しいものをいっぱい食べること、それだけでも充分立派な「台所育児」です。



苦手な食べものを
おままごとで克服した
子どもたち




―発見や体験など「リアル」に重きを置く台所育児ですが、一方で私たちウッディプッディが作るおままごとは、空想やイメージなどの「ファンタジー」の要素を含みます。坂本さんにとって、「おままごと」とはどんな存在ですか?

うちの子どもたちは、リアルな料理が先にあって、その後からおままごとで遊んだので、実際に体験をしたことがあるものを、おままごとを使って自分なりに再現をする、という風に使っていたのが面白かったです。

実際にうちの子どもたちもウッディプッディのおもちゃで遊んでいるのですが、息子は3枚におろせる魚がお気に入りです。魚を触るのはキライだけれど、魚をさばくことはかっこいいと思っているみたいなんですね。包丁を持って、アタマを落として、調理人になりきっていました(笑)

「子どもって大人の行動をしっかり観察しているんだなぁ...」と、おままごとを通して気づきましたね。





ウッディプッディの『はじめてのおままごと 焼き魚セット』に含まれるアジ。(商品詳細はコチラ

ー料理が先でおままごとで再現というのは、なかなか稀有なケースだと思います(笑)

そうそう、一番びっくりしたのは、娘が卵を食べられるようになったことです。もともと卵焼きが苦手だったんですよ。でも、卵のおもちゃは気に入って、卵を割って黄身を白身の上に乗せる遊びを続けているうちに、苦手だった卵焼きがいつの間にか食べられるようになったんです。

実際に卵を割る動作も上手になりました。はじめの頃はいつも殻を潰していたのですが、おままごとでやってみてから、手を汚さずに割れるようになりました。

おもちゃって、本物の食材と違って、いつでも自由に遊べるという利点がありますよね。私の娘のように、苦手な食べ物でも、それを模したおもちゃで遊んでいるうちに、実際の食材にも興味を持ってもらえたのかもしれません。





ウッディプッディ『はじめてのおままごと 洋食屋さんセット』に含まれるたまご。(商品詳細はコチラ

ーリアルではないおままごとだからこそ、坂本さんのお子さんの世界観に馴染んで、別の角度から食を楽しむきっかけになれたということでしょうか。

そうですね。うちの子どものように、おままごとで遊ぶことにイメージトレーニング効果があって、苦手なものも食べられるようになるんだとしたら、もっと色々な商品が出たらいいなぁと思いました。

例えば、ほうれん草のおひたしとかね。葉物は奥歯ですりつぶさないといけないので、体が発育途中の子どもには、苦手な子が多いんです。おままごとで葉物の商品ができたらいいなぁ。



令和の子育てと台所育児




―坂本さんのお話を伺ってみると、台所育児のポイントは「大人の覚悟」なのかなと思いました。

「台所育児が大事なのは分かるけれど、やっぱり包丁や火は危険だし...」と思われる保護者の方もたくさんいらっしゃると思います。

その時に一度振り返って考えてみていただきたいのは、「子供には将来どんなふうになって欲しいんだろう?」ということなんです。絶対的な正解があるのではなく、どんな「ゴール」を思い描くかによって、色々な形の正解があると思います。

もし料理ができるようにならなくていいのなら、ムリに包丁を使って、台所育児をやらなくていいんですよ。でも最終的には、ちゃんと包丁を使って料理をできるようになって欲しいと思ったら、最初からしっかりと本物を体験し、適切な扱い方を身に着けようというのが、台所育児の考え方です。

でも、料理ってホントに素敵なんですよね。生きる上での色々なエッセンスが詰まっていながら、一緒に作ったり、美味しく食べたりと、楽しみながらそれらを学ぶことができるんです。先ほどご紹介した、レタスや海苔を「やぶる」とか、お子さんに「味見係」になってもらうとか、こういったごく簡単なことからでもいいので、ぜひ皆さんにはご家庭でお子さんと一緒に料理を楽しんで欲しいです。




―坂本さんの考える「台所育児」の本質とはなんでしょうか?

「台所育児」という言葉ではありますが、料理がすべてとか、料理が一番大事ということを言いたい訳ではないんです。自分のこどもが最終的にどういう風に育って欲しいか、どういう技能を身に付けて育って欲しいか、それらを考えることが台所育児において一番大切なことです。その中の1つとしての料理という手段があって、危険もあるけれど、楽しいことが一杯あるよ、という感じですね。

たとえば、小さい子が包丁を使っている時って、本当に嬉しそうなんです。特別なもの、普段は触れられないものを、今私が使っている、ということを実感しているんでしょうね。包丁を使わせてもらえることへの信頼感や、チャレンジを感じているのが伝わってきます。

本のサブタイトルである「1歳から包丁を」というのは、そんな大人と子どもの信頼関係を表しています。





サカモトキッチンの創立者坂本廣子さんの著書『坂本廣子の台所育児 一歳から包丁を (農文協) 』は、30年以上前の本ながら、現在でも多くの方に愛読されています。(詳細はコチラ

―坂本廣子さんが執筆された『坂本廣子の台所育児』は、1990年に出版された本ですが、30年以上経った今、ウェブを中心に「台所育児」というワードが再注目されています。令和以降の世界で、台所育児はどんな役割を果たせると思いますか?

令和の育児は、自分の好きなものをとことん好きでいられるというのが生きる力になると思います。

ガマンとか根性とかじゃなくなるんじゃないかな。ロボットもあるし、インターネットで知識も得られるようになれば、知識をためこむことよりも、その知識をどう使うかといった発想力や、それを面白がれる力が必要になるんじゃないかとも思います。

―最後に、坂本さんがこれからの時代を生きる子供たちに一番伝えたいことを教えてください。

これからの子どもたちには、本物でも、おもちゃでもいいから、たくさん手先を使って色々な体験をしてほしいです。そして、その中で自分が「これだ!」と思うものに出会ってほしいですね。好きなことを、思いっきり楽しむ。それができれば、きっと21世紀は生きていけると思います。

私はこれからも料理の楽しさを皆さんにお伝えしていきますが、必ずしも料理にこだわる必要はありません。

とにかく、子どもの時に夢中になれるものを見つけて、どんどん体験してほしいです!





インタビュー:進藤匡史(ウッディプッディ)
撮影:平子涼(ウッディプッディ)



坂本佳奈 Kana Sakamoto

兵庫県神戸市出身。食育・食文化/料理研究家。サカモトキッチンスタジオ主催。キッズキッチン協会副会長。母は同じく料理研究家としてNHK『ひとりでできるもん』の監修を行った坂本廣子。

サカモトキッチンスタジオ公式サイト:
https://skskobe.com/

『坂本廣子の台所育児 一歳から包丁を』: https://www.amazon.co.jp/dp/4540900838/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_K797E9Y6SDG3W1SPVD6GM

【おもちゃデザイナー子育て】#1 おもちゃデザイナーお母さんになる【新米ママ】

 ウッディプッディコラムをご覧いただいているみなさま、初めまして!

 ウッディプッディで商品企画を担当している山本多代子と申します。

 

 現在は6か月になるわが子とともに育休中なのですが、本日より時々、スタッフブログを書かせていただくことになりました。

 

 私のブログでは、育休中の子育てのことに加えて、デザイナーの立場から、あんな商品やこんな商品の開発秘話などを、みなさまにこっそりお伝えしていきたいなと思っています。

 

 今日はその第一回目として、わたくし山本について、カンタンに自己紹介をします!

 昔から絵を描いたり紙で何かを作ったりするのが大好きな子どもだった私が、おもちゃのデザインを好きになったのは、専門学校の課題で取り組んだことがきっかけです。

 

 その課題ではクレヨンやブロックなどを作成したのですが、おもちゃ作りを通して「子供の発想力ってこんなに自由で面白いんだなぁ~!」と感動したことを今でも覚えています。

 

 実際に保育園へお邪魔して子供たちと一緒に遊んだり、卒業制作展で私のブロックモデルで小さいお子さんがずっと真剣に遊んでくれている様子を見たりするうちに、

 

 「デザイナーになって、もっとたくさんの子どもたちに喜んでもらえる素敵なおもちゃを作りたい!」

 

 という思いが募り募って、おもちゃデザイナーになることを決心しました。

 学生時代からおもちゃに興味はあったものの、その頃は新卒でおもちゃデザイナーの求人はなかったため、まずは経験を積むために、学校求人にあった大阪の化粧品会社へ就職しました。

 

 その後、今の旦那さんと一緒に住む事になり、兵庫で転職先を探している時に、たまたまウッディプッディに出会いました。

 

 木製玩具に特化していて、とても温かみがあって素敵な商品ばかりだったため、学生時代からの憧れもあり、「ここでおもちゃを作りたい!」と思い、面接に臨みました。

 

 昔からおもちゃ作りの仕事に対する思いが人一倍強かったこともあり、入社が決まった時は旦那と2人でとても喜んでいたことを覚えています。

 

 入社してからこれまでに、「おとつむ」「さかなつリバーシ」「スウィーツセット」「ウッディカメラ」などを担当してきました。

 

 企画開発の業務は、市場のおもちゃの研究から新規・リニューアル商品の企画、おもちゃの設計、イラスト、パッケージのデザインなど、おもちゃ作りに関わる全ての作業を行います。

 

 「おもちゃのデザイナーってとにかく楽しいんだろうなぁ!」と思い入社しましたが、実際は苦悩苦悩の毎日でした…。

 

小さいこども達に安心して遊んでもらうために、おもちゃには数々の決まりがあり(玩具基準ST)、これを守りつつデザインも可愛くして…できる限りお求めやすい価格にもしたいからコストも抑えて…こども達が喜んでくれるデザイン…と、悩みに悩みながら、一つ一つ商品を作っています。

 

 そんな苦悩の連続の末に生み出されたおもちゃですが、お客様に買って頂いて、「子どもたちが楽しく遊んでいます!」などの感想を頂くと、「頑張って作ってよかった~!」と苦労が報われます。おもちゃデザイナーとして一番嬉しい瞬間ですね。

 

 時々、インスタで自分の作ったおもちゃで遊ぶお子様たちの写真を見つけては、毎度ニヤニヤとしています♪

 そして入社して4年半、ついに私も一児の母になりました。

 よりたくさんのお客様に遊んでもらうことはもちろんですが、これからは息子くんに私がデザインしたおもちゃや手作りのおもちゃで遊んでもらう事が何よりもの楽しみです!

 

 息子くんはおもちゃを気に入ってくれるだろうかと、ドキドキします(笑

 

 これから息子くんがおもちゃとどう接してくれるのか今から楽しみです!

 

 長々とお付き合いありがとうございました。

 

 こんな新米ママですが、今後ともどうぞよろしくお願いします!

この記事を書いた人:山本多代子

ウッディプッディでおもちゃデザイナーを担当しています。2020年10月より育休中をとり、初めての子育てに奮闘中です。担当した主なおもちゃ:おとつむ、スウィーツセット、さかなつリバーシなど。

初めてのおままごとは何歳から?知育効果と遊び方

おままごとはまだ早いかな?ちゃんと遊べなさそうだし…。

興味あるみたいだけど男の子だからおままごとセットはいらないかな…?

 

月齢や性別でそのように感じることがあるかもしれません。特に、おままごとが好きな男の子のお母さんから、「男の子だしおままごとを買ってあげるか悩む」という話をよく聞きます。

 

しかし、おままごとは性別問わず、1歳前後から小学生になってもずっと楽しめる知育遊びです。子供の知育玩具、子供の遊びとして知育効果は抜群です。早速、子供と一緒に始めてみましょう。

おままごとは1歳前からでも始められる

現在3歳になる娘は、1歳前からおままごとが大好きです。

 

初めてのおままごととの出会いは児童館でした。児童館に行くと必ずあるのがおままごとセット。キッチンや食べ物、お皿、お鍋などのセットがたくさん置いてあります。

 

必ずと言っていいほど、おままごとの野菜や果物に興味を示して、手に持っていました。それは娘だけでなく、月齢が近い他の赤ちゃんもたいてい寄ってきて取っ替え引っ替え遊んでいました。

 

野菜や果物のカラフルな色が赤ちゃんの目を引くのだと思います。

おままごとの3つの知育効果と遊び方

1歳前後のおままごとの知育効果は、以下の3点が挙げられます。

娘の成長の過程で感じたおままごとの知育効果と遊び方を紹介します。

 

1.野菜や果物、色を覚えられる

2.手先の発達につながる

3.コミュニケーション力につながる

1. 野菜や果物、色を覚えられる

おままごとの野菜や果物、色など1つずつ名前を言いながら、子供に渡してあげるだけでも、しっかりとした知育効果があります。

食べ物を覚えることは今後食育にも発展していきます。

また、子供は言葉を話さない時でも言葉をしっかりと聞いています。

「りんごはどれ?」「赤はどれ?」など質問して、子供に指差して答えてもらうという方法もあります。指差は成長過程の一つです。

2. 手先の発達につながる

野菜や果物など持ったり触ったりするだけでも手先の知育が出来ます。赤ちゃんの時から手先を使うことは、脳の活性化に良いと言われています。

 

特にウッディプッディのおままごとは、木製です。プラスチックよりも木のぬくもりは赤ちゃんにとって心地良いですよね。また中に磁石が埋め込まれています。磁石が埋め込まれていることで、食べ物(磁石)をくっ付けたり外したりする楽しみがあります。磁石がくっ付いたり外れたりする手の感触は手先の発達につながります。

3. コミュニケーション力につながる

1歳半前後だとまだまだしっかりと話せませんが、簡単な一言だったら言えるようになる時期でもあります。

野菜や果物の受け渡しは「どうぞ」「ありがとう」など簡単な言葉のやりとりでコミュニケーション力や語彙力を少しずつ増やす効果もあります。

まとめ. おままごとは1歳でも楽しく遊べる!

1歳前後だと出来ることは限られていますが、それでも少しずつ色々なものに興味を示してくる時期です。

 

赤や緑などカラフルな野菜などのおままごとの食べ物は、目を引きます。そこから、これはなんだろう?と好奇心が旺盛になります。

そんな時に、一緒に遊んであげれば子供の興味関心、好奇心、発育の手助けになります。

 

おままごとはお家でいつでも遊べるものです。おままごとを通して子供の成長を見守ることはとても楽しいことです。

 

最初は手で握ることしかできなかったのに、成長とともにおままごとの遊び方も進化して、料理を作ったり、レストランごっこをしたり幅が広がります。

子供の成長に合わせておままごとセットを増やすのも楽しいと思います。

 

おままごとデビューしてはいかがでしょうか?

節子日記

知育ブロガー・インスタグラマー。3歳児を子育て中。6学年先の学習をやっている我が子の子育て経験をもとに、幼児教材・知育玩具・絵本など幼児教育に関することを発信中。子供と向き合い子供の可能性を引き出すことに活かしてもらえるような投稿を運営。

ブログ: https://setsukodiary.com/

インスタグラム: https://www.instagram.com/setsukodiary/

男の子だっておままごとが好き!楽しい記憶と新たな発想を紡ぐおままごと遊び

私たちのところに、ウッディプッディの『スウィーツセット』が届いてから、子どもたちが以前より、友達同士のコミュニケーションが増え、さらに低年齢の子どもでも遊びやすいことから、集中して遊ぶ時間が長くなったと感じることが増えてきました。

今回は、そんな子どもたちのおもちゃで遊ぶ姿を見ていて感じたことについて、皆様にご紹介させて頂きたいと思います。

男の子だって、おままごとが好きなんです!

男の子に大人気のプラレールやブロックですが、キッズプラスにおいては、これらに匹敵する男子の人気を誇る遊びが、意外にも「おままごと」なのです。私たちの施設を利用する子どもたちの大半は男の子なのですが、自由遊びの時間、子ども達に何をして遊びたいかを聞くのですが、週の半分以上は「おままごと!」という声が聞かれます。

ある日、一人の男の子が「先生どのケーキが好き?」と聞いてくれたので「チョコレートケーキが好き!」と言うと「このケーキはな、いーっぱいチョコレートが入ってるねんで!」と教えてくれ、次に「このケーキはチーズがいっぱい入ってる!ほんで焼いて作るねん!」とチーズケーキを紹介してくれました。「あとは砂糖も入ってる」と実際食べて感じた甘さや、ママが教えてくれた作り方という記憶から他にもいろんなケーキの作り方を教えてくれました。

おままごとでは、実際の生活で体験したものだからこその発想や、遊びの展開が生まれるんだなと、その子の話を聞いて感じました。また、その時ママと話したことや、一緒に美味しいケーキを食べた時ことなど、おままごとによって楽しい記憶が次々に湧いてくるようで、そんな彼らの活き活きと遊ぶ様子を見みて、こちらまで嬉しくなってしまいました。

別の日には、ある小学生の男の子がケーキに興味を持ち、ケーキをじーっと見てどのようにして遊ぼうか考えている姿が見られました。傍で様子を見ていると、ケーキを横一列に並べたり、縦にどんどん積み上げたり、少しするとトラックのおもちゃにケーキを運んで遊んでいました。普段からおままごとが好きな子なので、その後もお弁当箱に詰めたり、トレイに並べるなどいろんな遊び方を楽しむ姿が見られました。

黙々と集中して長時間遊んでいて、少しの間来所して自由遊びになると「ケーキちょうだい!」とケーキのおもちゃを要求して夢中で遊ぶ日が続きました。スタッフにどうぞしたり、自分でもぐもぐ食べたりと、おままごとならではのコミュニケーションや、そこから様々な言葉を紡ぎだして楽しんでいる姿を見て、とっても嬉しい気持ちになったことをよく覚えています。

箱だって立派なおもちゃ!

ある日、男女のグループがケーキ屋さんごっこをして遊んでいました。ケーキを全部並べて「いらっしゃいませー」、「これくださーい」などとやりとりをして遊んでいる様子が見られ、「楽しそうに遊んでいるなー」と様子を見ていました。

しばらくすると、ケーキが入っている箱に車や近くにあったおもちゃを入れて「じゃーん!」と見せたり、何が入っているかをクイズ形式で遊んだりと、おもちゃ本体だけでなく、おもちゃの箱が遊びの主役になっているときもありました。

ウッディプッディのおもちゃの箱はしっかりとした作りになっているので、みんながそれぞれに新しい遊びを生み出していることがおもしろく、しばらく眺めていました。

まさか、箱一つであんなにたくさんの遊び方を生み出して、みんなで楽しめるとは…。本当に子どもの遊びは無限ですね。日々、大人には思いもしない発想にビックリさせられます。

その後も、ケーキが入っている箱に他におもちゃを入れて運んだり、クイズを出す遊びが続き今現在もよく見られます。とにかく彼らの発想がおもしろくて、しばらくスタッフ間でその話で持ち切りになりました。

これからもケーキのおもちゃから、予想外の発想や、友だち同士の関わり、新たな遊び方が出てきそうです。

ライター:キッズプラス

児童発達支援・放課後等デイサービス 発達に支援が必要でもそうでなくても、 特別ではなく「子ども」として捉え 「あたりまえ」の毎日を積み重ねていくことを 一番大切にしています。 子どもたちに言葉だけではない表現の方法を伝え、一緒に「やった!できた!」を積み重ねていくためのカリキュラムとしてキッズプラスでは「アートデザイン療法」というオリジナルのカリキュラムを行っています。
https://www.motherplus.net/kidsplus/

【ごっこ遊び】孫の成長が間近で見られる、私の幸せなひと時 – 白水千雅

みなさんのご家庭では、お子様とごっこ遊びをすることはありますか?

 

子どもは平均1歳6か月頃から、実際に経験したことを思い浮かべたり、物事を別のものに置き換えて想像したりできるようになるそうです。

 

ごっこ遊びは、そうした子どもの成長が見える機会でもあり、さらに子どもの成長を促す遊びでもあります。

 

我が家では、孫が2歳になった頃から頻繁にごっこ遊びをすることが増えたのですが、そこには嬉しい発見がたくさんありました。

 

孫の成長が、手に取るように感じられた

 

アイスクリームが好きな私の孫は、ウッディプッディの「アイスクリームセット」が大のお気に入りで、毎日のように遊んでいます。

 

「いらっしゃいませ~」

「どうぞ~」

 

と、はじめは大人が言うことを繰り返すばかりでした。

 

しかし3カ月も経たないうちに、大人がいなくても、お店屋さんになりきってお友達とスムーズなやり取りができるようになり、その語彙力とコミュニケーション力の向上にはとても驚かされました。

 

「いくつにしますか?」

「○○円になります!」

 

など、日ごろお店で見聞きしていることが、おままごと遊びを通して再現されるようになりました。

 

「これ、なあに?」は、世界が広がる大切なきっかけに

 

さらに「何してんの?」「これなあに?」と、マネだけではモノ足りず、自分で興味を持ったことには進んで質問をするようにもなりました。

 

どうやら、日ごろの経験をごっこ遊びで再現し、そこで分からなったことや興味を持ったことについてたくさん質問をし、どんどんと見識を広めているようです。

 

そんな孫の様子を見ているうちに、子どもの質問には、作業の手を一旦止めてでもしっかり答えてあげることが大切なんだなと思うようになりました。

 

言葉を工夫して、いろんな言葉に触れさせています

 

子どもに何かを質問されたとき、私は毎回違う言葉で答えるようにしています。遊びを通してたくさんの言葉に触れられると、子どものコミュニケーションの幅がどんどん広がります。

 

特に、会話が生まれる言い方がおススメです。例えば、「食べる?」と聞かれたら、「食べる」とか「下さい」だけでなく、「どんなのがあるの?」「チョコレートもある?」のように。「いちごもあるね」「いちごは何色?」など、自由に話題を広げて会話を楽しみましょう。

 

ごっこ遊びは、孫の成長が感じられる幸せな時間

 

ごっこ遊びは、家族間のコミュニケーションが深まる遊びです。兄弟や両親にとどまらず、祖父母や曾祖父母まで、世代を超えてみんなで楽しめる遊びはそうそうありません。

 

私自身にとってごっこ遊びは、一人のおばあちゃんとして、孫の成長がじっくりと見て取れる、とっても幸せな時間です。

 

ごっこ遊びには、やっぱり木のおもちゃ

 

孫のお気に入りのアイスクリームセットは、実は私のお気に入りでもあります。

 

楽しく遊べることはもちろんですが、木のおもちゃはナチュラルなインテリアにも馴染むデザインなのが大人目線での嬉しいところ。

 

お気に入りのおもちゃは、いつでも出せる場所に置いておきたいものですが、我が家ではむしろ、インテリアの一つとしてお部屋に飾っています。

 

孫には天然素材の優しい温かみに触れならが、楽しく遊び、どんどん成長してほしいと思っています。

 

白水千雅(はくすい ちか)

一般社団法人 健康促進未病改善医学会 日本妊活セラピスト学部長。セラピスト歴28年。

社会人時代、テニス女子日本ランキング100位いないのトップアスリートとして活躍し、心身共に健康な生き方を学ぶ。その後、女性に特化した健康と美容を保つエステサロンを開業。

現在は妊活〜産後〜更年期の女性の健康と美を保つケアを普及すべく活動する傍ら、自身の経験を元に「子育て論」の講演活動も行う。