WOODY PUDDY

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ウッディプッディ物語④ 夢をかたちにする覚悟

夢をかたちにする覚悟

夢をかたちにする――それは、想像以上に大きな覚悟が必要なことでした。

2005年、六甲アイランドの新店舗計画が動き始め、
現実的な“数字”と向き合う日々がやってきました。

家賃 月額170万円。
敷金 1000万円。
電気代 月40万円。
内装費は約4000万円。
商品代に約2000万円。

合計すると、およそ7000万円。
さらにその他の経費を加えると、総額は8000万円から1億円――。

「どうしよう……本当にやっていけるのだろうか?」
夜、電卓を握りしめながら、何度も頭を抱えました。

金融機関に相談すると、幸運にも1億円の融資が決まりました。
けれど、安堵したのも束の間。
心の中には「本当に返せるのか?」という不安が重くのしかかります。

5年で返済するなら、年間2000万円、月に165万円。
売上計画は年間1億円――月に830万円。
粗利益が400万円あれば、なんとかなるかもしれない。
でも、計画どおりにいく保証はどこにもありません。

六甲アイランドという場所に、どれだけのお客様が来てくれるのか。
誰にも読めない、見えない未来。
それでも――前に進むしかありませんでした。

「命まで取られることはないだろう。」
そう自分に言い聞かせ、
「だめなら、その時は潔く撤退しよう。」
そんな軽い気持ちも、どこかにありました。

けれど現実は、そんなに甘くはなかったのです。

不安と希望が交錯する毎日。
心臓の鼓動が一日中止まらないような緊張感。
それでも――
私たちは確かに、「夢に向かって生きていた」瞬間でした。 このあと、いよいよ店舗がオープンを迎えます。
その日、どんな光景が広がっていたのか――

ウッディプッディ物語③ 六甲アイランドで始まった新しい冒険

六甲アイランドで始まった新しい冒険

2005年9月。
私たちはついに、神戸・六甲アイランドに新しい店舗の賃貸契約を結びました。
夢が、ひとつ現実に近づいた瞬間でした。

内装工事が始まり、店の姿が少しずつ形になっていく。
しかし、心の中は喜びよりも――焦りでいっぱいでした。

オープンは翌年2006年2月。
試作商品の船積みは12月。
「えっ、あと3か月もない⁉」
まさに時間との戦いの始まりでした。
でも、立ち止まるわけにはいきません。

そう、私たちはこの時、初めて小売りに挑戦することを決めたのです。
もちろん、不安は山のようにありました。

店舗経験者を5人募集し、30代から40代の頼れる仲間たちが集まってくれました。
しかし――ここからが本当の“冒険の始まり”でした。

JANコード? 聞いたこともない。
包装はただのOPP袋。
「これで本当に売れるのだろうか?」
そんな疑問が何度も頭をよぎります。

それでも、発注は進めなければなりません。
扱う商品は玩具や雑貨だけでなく、ベッド、机、本棚、椅子などの木製家具
どれも天然木を使った本格的なものでした。

けれどその分、とにかく重い!
ようやく届いた家具の梱包を開けると――
「ガッシャーン!」という音とともに、壊れているものがちらほら。
組み立て部品が足りない。ねじが入っていない。
もう、どうしたらいいのか…。

悔しくて、情けなくて、涙が出た日もありました。
けれど、不思議と心の奥には、
「絶対にやり遂げたい」という強い気持ちが灯っていました。

そう、このときがまさに――
挑戦と覚悟のはじまり

六甲アイランドでの“ウッディプッディ冒険物語”は、
ここから、たくさんの涙と笑顔を重ねながら続いていくのです。

続く→